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武蔵野開拓の祖神、江戸の守護神として祀られ、さらに太田道灌が江戸城築城にあたって鎮護の神として川越山王社を勧請したのが東京・赤坂の高台にある日枝神社です。ここは狛犬の代わりに「おサル様」が鎮座しています。

鳥居の向こうには赤坂の街並み


鳥居の上の△型は比叡山を表しています


外国人グループが参拝していました


1年が経つのは早いものです。

子どもの頃は“いろいろ学ぶものがあり、さまざまな新しい経験をする”から、1年の経過が遅いらしいのです。

しかし、ある程度年齢を重ね、毎日の暮らしにルーティンが生れると、いやはや、驚くほど時間は早く過ぎていきます。

ついこの前、年賀状に申を描いたばかりなのに、そろそろ「酉(とり)」の賀状の準備をしなければいけません。

猿は猿でも「神猿(まさる)」が鎮座し、それが「魔が去る」「勝る」にも通じて縁起がいいと伝わる神社があります。

とくに干支に当たる今年は、そのパワーが増大していると人気を集めている神社が東京の中心部・赤坂にある日枝神社です。

武蔵野開拓の守護神として江戸氏が祀ったのが歴史の始まり。その後、文明10年(1478年)に太田道灌が江戸城を築城するにあたって川越山王社を勧請し、江戸の繁栄を祈りました。

さらに、天正18年(1590年)に徳川家康が江戸に移封されて江戸城に居城すると、「城内鎮守の杜」として日枝神社を大切にします。

もちろん、江戸の住民たちも、盛況を極める「江戸郷の総氏神」として信仰しました。

また、三代将軍家光の時代より歴代将軍が上覧拝礼する「天下祭」を開催。今では京都祇園祭、大阪天神祭とともに、日本三大祭として日枝神社の「山王祭(毎年6月開催)」は全国的に知られています。

江戸を代表する神社だけに、当時から商売繁盛、社運隆昌、安産、縁結びにご利益があると江戸の人々に人気がありました。

ここは今でも変わらずに、都内屈指のパワースポットとして人を集めています。

日枝神社へのアクセスは簡単です。東京の中心部のひとつである赤坂をめざせばいいのです。

日枝神社は山王パークタワーや東急キャピトルホテルタワー(タワーになる以前、東京ヒルトンホテルだった時もあります。ザ・ビートルズが宿泊したホテルとして話題になりました)、プルデンシャルタワーといった高層ビルに囲まれています。

都会の景色の一角に、ポツンとあるのが徳川家を見守った由緒ある神社なのです。

都会の高台から“江戸”を見守っています


社殿左側にある親子の猿の像


右側にはオス猿がいます


日枝神社の御祭神は大山咋神(オホヤマクヒノカミ)。須佐之男命(スサノオノミコト)から三代目に当たります。

大山咋神は大山の主であり、地主神としても崇められ、山や水の大地を支配する神様です。

元々は滋賀県比叡山麓で大山咋神を祀る日吉大社から派生した神社なので、その証拠に日枝神社の鳥居の上部には、比叡山を表す三角形が記されています。

また、他の多くの神社と異なるのは社殿前です。狛犬の代わりに猿の像が置かれているのです。山王鳥居の横には狛犬もあるのですが、社殿の前は猿になっています。

大山咋神は大地の、そして山の神様です。そして、大山咋神と人間との連絡役が猿でした。

そのために「神猿(まさる)」と称された猿は、まさに神様の使者として敬われていました。

日枝神社を訪れると、本殿の左側には子ザルを抱くメスの猿が鎮座しています。子ザルを抱いていることから、子宝、安産にご利益があると伝わっています。

現在では縁結び、家内安全の象徴にもなっています。

本殿右側にはオス猿がいます。

猿が暮らすのは実り多き豊かな森や山ですから、商売繁盛、社運隆昌にご利益があると伝わってきました。

日枝神社を訪れた時、近隣のビジネスマンでしょうか。スーツ姿の男性の姿も多くみかけました。きっと、商売繁盛を祈願しているのでしょう。

さらに、土地柄から外国人、女性同士の参拝者が目立ちました。

「神猿(まさる)」は、「魔が去る」「勝る」という言葉に通じます。これもまたパワースポットたる由縁、多く人が祈願にやって来るのも納得です。

お札や守袋に混ざって、猿をモチーフにした「まさる守」もあります。絵馬にも同様に神猿をデザインしたものが目立ちます。

狛犬の代わりに鎮座する神猿の像は、テカテカと輝いていました。参拝者たちがなでたためです。

なんとなく愛嬌を感じられる猿の像。しかも、大山咋神の使者として、さらに山の神としてのパワーを持ち合わせているのですから、訪れた時になでたくなるのは当然の心理でしょう。



今回の読者プレゼントは「まさる守」です。

かわいい絵馬がありました


こんな絵馬も!


山王稲荷神社に続く鳥居


境内には末社として山王稲荷神社や猿田彦神社などがあります。

山王稲荷神社は日枝神社に隣接していますが、神社内にあるお稲荷さんは第二次世界大戦時の空襲で日枝神社が焼失した際も、唯一残った神社だそうです。お稲荷さんまでの鳥居のトンネルもみごとです。

空襲前の日枝神社は木造建築でした。

明暦3年(1657年)の明暦の大火によって一度社殿を消失しており、その後に将軍家綱によって現在地に遷座、再建されています。

しかし、昭和20年の空襲によって再度消失します。現在の社殿は昭和33年に再建されたものです。

昭和20年に失った本殿、拝殿、幣殿、中門、透塀はいずれも国宝に指定されていたのですから、貴重な財産を空襲で失ったことになります。

さて、山王稲荷神社とともに参拝したいのが、猿田彦神社です。

猿田彦神は「よい方向に導いてくれる神」として知られています。

こちらの神様のご利益も期待したいものです。



猿神とご縁がある日枝神社のご利益は12年に1回ということはありませんが、やはり申年の今年中に参拝したいものです。実際に今年のお年賀には申年にちなんで、参拝客が殺到したそうです。

まだまだ遅くはありません。酉年になる前に、1年の感謝を込めて、あるいは今からのパワーに期待して訪れてみたらいかがでしょう。

大山咋神は「事始めの神様」とも呼ばれています。申年だけでなく、酉年から始まる次の申年までの新たな12年がよい出だしになるように祈願するのも手です。

新たな生き方をバックアップしてもらうために訪れるのもいいのでは。

参拝が終わって山王男坂、あるいは山王女坂を下れば、まるで別世界のように映る赤坂の賑やかな街並みが広がります。

名物グルメを提供するレストランやおしゃれなカフェが軒を連ねています。

ドライブ、おでかけの一環として立ち寄るのもいいですね!

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!

●日枝神社
http://www.hiejinja.net/
< PROFILE >
遠藤 里佳子
旅行雑誌ライター。国内外の旅を多く取材。全都道府県を制覇(通過ではなく宿泊をしてカウント)したのは32歳のとき。ハワイやカナダ、オーストラリア、東南アジア、中国など太平洋圏に詳しい。
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