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連載開始たちまち好評の雑誌『CAPA』、『旅行読売』で活躍する越カメラマンの「風景を上手に撮影するコツ」の第2弾に加え、雨上がりの撮影スポット紹介、好評の「壁紙」プレゼントもあります!

公園で見かけた夫婦。三脚を用意してカメラをセット。ふたりでお互いの写真を評価しながら撮影していました
あらゆるプロカメラマンが「今はフィルム代や現像代がかからないので良い時代。アマチュアの方もいくらでも練習ができる」と言います。
筆者が新入社員として、あるスポーツ雑誌に配属されたときです。金曜日に編集長が一眼レフカメラとフィルムを2本手渡しながら言いました。

「この週末、どこでもいいから写真を撮影してこい。とくに走っているものを撮影すること!」
旅先でスナップを撮影したことはあっても、動いているものを撮影する機会などありませんでした。そこで公園に出かけてさまざまな写真を撮影、さらには歩道橋の上から走って来るバイクなどにピントを合わせる練習をしました。

当時はもちろんデジタルではありませんから、写真の出来栄えは現像するまでわかりません。現像してみると明るすぎるものも暗すぎるものも。さらにピントが合っているものもあれば、ピントが合っていないものもあり…。
編集長に「まだまだだな」と、つぶやかれてしまいました。

現在、カメラはデジタルが主流になり、フィルム代も現像代もかかりません。さまざまなモードによってシャッター速度や露出も自動調整してくれます。オートフォーカス機能でピントもカメラが合わせてくれます。
だから、逆に思うのです。

最新のカメラを手にした人は、カメラ機能に頼り過ぎて、撮影の練習をする機会が少なくなっているのではないか、と。
どうぞ、休日には近くの公園に出かけ、プライバシーに注意しながらさまざまな写真を撮影してください。走る電車を撮影してみてください。順光で、逆光で撮影してみてください。昼でもフラッシュを点してその効果を知ってください。同じものをすべてのモードで撮影して仕上がりの変化を比べてみてください。

このような「練習」が生きてくるのです。さあ、練習撮影に今すぐ出かけてください!!


本格的な春~初夏の到来とともに、山々は目映い新緑に包み込まれ、爽やかな空気に包まれていきます。
ところで、そんな春~初夏の風景を爽やかに撮ろうとしても、なかなか上手くいかず、期待通りに仕上がらないものです。きっと、そんな経験をお持ちの方も多いと思います。

その一番の原因は、見た物を見たままに写してしまっていることにあります。
では、どうしたら爽やかな雰囲気を出せるのでしょうか? 
答えは「より印象的な部分だけを写してあげる」ことです。



具体的には、誰でも簡単に実践できる(もちろんプロも実践している)主に3つの方法があります。早速、具体的な例で説明していきましょう。


写真AとBは同じ場所から撮影した高原の沼の写真です。
見たそのままに撮影したのが写真Aです。しかし、これでは平凡。
そこで、レンズをズームさせ、沼に映っている対岸のシラカバをアップで撮影したのが写真Bです。主題を絞ることで、水芭蕉の葉や白い花の存在も際立ち、より印象的な写真に仕上がりました。この方法を俗に「切り撮り」などと呼んでいます。


写真A

写真B



写真C・Dも同じ場所から撮影しています。この二つの写真の違いは、カメラの水平の向きです。
写真Cは、立ったままの目線から花を見下ろすように撮影した写真です。
一方、写真Dはその場でしゃがんでカメラの位置を低くし、花を真横から見るように撮影したものです。同時に構図も、花の印象がより強くなるよう、画面の上のほうに花を寄せています。花がより引き立ったのが分かるかと思います。
カメラの水平の向きのことを「カメラアングル」といいます。


写真C

写真D



もうひとつの方法は、撮影する場所や方向を変える方法です。
写真Eはキャベツ畑を斜め方向から撮影した写真です。
それに対し写真Fは、カメラの場所を少し移動させ、キャベツが植わっているラインと平行になる場所から撮影したものです。
写真Eと比べ写真Fは奥行き感が生まれ、丘陵らしい起伏も写り、高原らしい爽やかな印象になりました。
この撮影する場所のことを「カメラポジション」といいます。


写真E

写真F



この3つの方法を意識するだけで、新緑の風景がより印象的になるでしょう。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。



瓦屋根が美しい倉敷の美観地区


瓦屋根に風情がある小さな港町、雨上がりに再訪したい
雨上がりの瞬間にカメラを抱えて表に出るというプロカメラマンがいます。

屋根や道がしっとりと濡れた街並みには、なんともいえない風情があるからです。

とくに瓦屋根が美しい街並みは炎天下よりも雨上がりが似合います。炎天下だと瓦の色が黒というよりも灰色に映ってしまいます。

瓦を黒く撮影しようと露出を調整すれば、今度は建物そのものが暗くなって…。その点、雨上がりの瓦屋根はなんとも美しいものです。

今月は古くて美しい街並みで、茅葺より瓦屋根の残る街を紹介しましょう。

紹介した以外では鎌倉、川越、金沢、京都も外せませんが…。
ラーメンと蔵の街・喜多方[福島県]
http://www.kitakata-kanko.jp/
喜多方はラーメンと蔵の街で、現在でも街中に多くの蔵が点在しています。ところで、数多いラーメン屋さんでどこを選ぶのか。筆者は訪れたときに、駅やおみやげ店などで地元の人に尋ね、中心部から離れた名店で食しました。

栃木蔵の街[栃木県]
http://www.kuranomachi.jp/
京都から日光に至る例幣使街道の宿場町として栄え、さらに舟運も盛んだったため今日でも多くの白壁瓦屋根の土蔵群が残っています。とくに市の中心部を流れる巴波川(うずまがわ)沿いは撮影スポットです。

佐原の街並み[千葉県]
http://homepage2.nifty.com/hirajin/sawara1.html
街の中心部に小野川が流れ、川沿いに古い民家が並んでいます。晩年を地図作りに捧げた伊能忠敬の旧宅や「じゃあ、じゃあ」と水が流れる樋橋が有名ですが、そのほかにも瓦屋根の商店が数多く並んでいます。

「六文銭」の城下町松代[長野県]
http://www.matsushiro-year.jp/
真田信之が江戸幕府の命によって上田から松代に移って松代藩初代藩主となって以降250年、真田十万石の城下町として栄えました。また、その当時の名残が街に数多く観られ、散策に最適な街並みになっています。

うだつの上がる街並み美濃[岐阜県]
http://www.minokanko.com/index.html
「藍」などの産業で栄えた吉野川沿いの徳島県美馬市脇町がうだつの街として有名ですが、和紙で隆盛を極めた岐阜県の美濃もうだつの街として知られています。うだつは防火の役割も果たしていましたが繁栄の象徴でもあります。

水郷と古き商家のたたずまい・近江八幡[滋賀県]
http://www.omi8.com/index1.htm
豊臣秀次が築いた城下町が発展し、“近江商人”と呼ばれるほどに隆盛を極めました。運河に沿った街並みは美しく、建造物がみごとに水と調和しています。このあたりは織田信長の時代から歴史の中心地。その面影があります。

美観地区で保護された街並み・倉敷[岡山県]
http://www.kurashiki-tabi.jp/
京都、金沢と並ぶ人気のスポットです。ここに取り上げたのは街並みを保護する「美観地区」が年々整備されて、広がりを見せているためです。数年前に訪れた倉敷より、もっと美しい倉敷になっています。



番外編・日本の島
番外編として日本の島々をあげます。島国日本の小さな島々には小さな港町があり、たいていが瓦屋根の家が狭い地域に並び、なんともいえない日本らしい風情を醸し出しています。筆者は雨上がりのタイミングに行っていません。ぜひ、雨上がりのタイミングに訪れたいと思っています。
日本国内に在住のアマチュアしか応募できないフォトコンテストで、今回が第46回目の開催です。
「自由部門」はスナップ、鉄道、飛行機、ドキュメンタリーなどなんでもOK。
そのほかに「ネイチャー部門」「スポーツ/モータースポーツ部門」があります。
渾身の一枚で応募したいコンテストです。

http://cweb.canon.jp/photocontest/contest46/

応募締切:2012年8月31日(金)
賞品など:
グランプリ1名[賞金50万円、賞状、EOS 5Dほか]
準グランプリ1名[賞金20万円、賞状、EOS 60Dほか]
上記は全応募作品より贈られます。このほかに部門別の大賞、準大賞、推薦、 入選などがあります。
編集部が取材で出かけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



今年は不思議な春でした。寒い日が長く、桜の開花は遅れたのに、一度暖かくなったらあっという間に暑ささえ感じるようになって…。桜もきっと戸惑ったのでしょう。つぼみと葉っぱが一緒に出ている枝もありました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
篠遠行彦
東京都生まれ。雑誌編集長などを経てカメラ&ライターになる。かつてはパキスタンの日本総領事館に勤めていたという異色の経歴をもつ。
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