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  4. 第9章 キャンプあれこれQ&A

初めてなら誰でもキャンプに対する不安や疑問がある。虫嫌いな人もいればペットを連れて行きたいという人も多いだろう。
初心者が疑問に思う内容を少しでも解決できるようQ&Aで分かりやすく解説。

自然のなかで行うキャンプに虫はつきもの。「虫がいやだからオートキャンプには行かない」ではなにも始まらない。
まずは一度アウトドアショップに足を運んでみるといい。
使いやすさ、便利さという面で著しい進化をとげているアウトドア用品だが、進化した要素のひとつに「防虫対策」がある。
たとえば、ホヤ(ランタン上部に取り付けるガラス部分)を工夫することによって外に光を漏らさない新富士バーナー「虫の寄りにくいランタン」。ネットの内部に入ることで防虫対策が完璧なドーム型タープ、身体に取り付ける防虫用品など、さまざまな防虫用品があるのに気付く。
さらに、市販の虫除けスプレーなども持って行くといい。

天気が変わりやすい時期や、その影響を受けやすいキャンプは雨対策も事前にしておきたい。
市販のビニール製の雨合羽は経済的だが、アウトドアメーカーから出されているレインウエアを持っておくといいだろう。第一にビニール製の雨合羽より動きやすい。それよりも重要なのは通気性にある。
アウトドアはなにかと身体を動かす場面が多い。そのときに通気性が悪いと、雨ではなく汗によって内部がびしょびしょになってしまう。通気性なども考慮されたレインウエアとの差は大きい。
また、天気予報をチェックしておくのも大事。キャンプ場へ着いた時点で雨が降っていた時にはテントを設置する前にブルーシートを敷いておくと泥があまり付かずに済む。
また、大雨時に川辺のサイトでは管理人の指示に従うことも重要だ。

【ひとこと】
雨の心配がある時は、サイト内のどこにテント、タープを張るかを考えよう。
サイト内の低い部分は雨水が溜まる可能性がある。そこにテントを張ってしまうと悲惨なことになる。
さらに、テントまわりやタープまわりに小さな溝を作るのも手。雨水がテント側やタープ内に入り込まないように、雨の逃げ道を事前に作ってしまうのだ。

風が強い日のキャンプで気を付けたいのがテントとタープのなどのレイアウト。
雨の日も同様に風上に車を置き、風を防ぐ壁を作るとよい。雨や風が強い日はテントとタープを連結させるとタープから移動する間に風に煽られることもない。
風が強いと留守にしているあいだにテントが転がってしまうこともある。重めの荷物をテント内に置いておくなどの対策も必要だ。

アウトドアでの遊びや、さまざまな用具を使用しているうちに軽い切り傷ができることがある。そういった時に対応できるよう家庭にある救急箱を用意しておくと安心。
また、オートキャンプ場は携帯電話が圏外の可能性もある。事前に周囲の病院の電話番号を調べておけば万全だ。
管理棟には電話がある。携帯電話が通じなくても、その病院などに電話連絡はとれる。

最近のキャンプ場では「お手軽キャンプ」などというコースを設けて、キャンプ用具一式をレンタルできるところもあるほどレンタルの需要は増えている。
もしも、キャンプをお試し感覚で楽しみたい人は、そういったコースを設けているキャンプ場に行ってみるのもいい。

オートキャンプ場では「AC電源付きサイト」が設けられているケースが多い。区画ごとにAC電源が付いているのだ。

AC電源のあるサイトが増えたことによって、キャンプのスタイルが変わってきた。家庭の炊飯器などが利用できるようになったのだ。もっとも異なるのは、「冬キャンプ」を愛用する人が増えたことだ。テント内で電気カーペットや電気ヒーターなどが使えるようになったのだ。AC電源が必要な場合は事前によくチェックしておこう。

最近ではペット同伴OKのキャンプ場が増えてきたが、注意しなければいけないのは他のキャンパーたちの迷惑にならないこと。
リードをつけるのはもちろんのこと、散歩をさせた時のおしっこなどの問題も忘れてはいけない。
オートキャンプ場の管理人さんに話を聞くと、お客同士のトラブルで大きいのは夜間の騒音とペット問題という回答が返ってくる。
ペット愛好家にとってペットは家族の一部だし、鳴き声も気にならない。しかし、そうでない人にとって犬は犬。別にかわいがる必要もないし、鳴き声は騒音にすぎない。しかも、オートキャンプ場の場合はペット連れのサイトとそうでないサイトの間に垣根や塀がない。ペットの行動は気になるし、鳴き声はうるさく感じる。だからこそ、自分たちのサイト内をペットが勝手に出ないように気を付ける、鳴き声に敏感になるなどの十分な注意が必要なのだ。
ペット愛好家に厳しいことを書いたが、近年では「ペットOK」というだけでなく、ドッグランやペット用浴室を設けたオートキャンプ場も増えている。ペットも今や大事なオートキャンプ場のお客さんだ。

子どもたちにとってアウトドアで過ごすひとときは貴重な体験になる。
とはいえ、小さな子どもを連れて行った時に心配なのがキャンプ場で過ごす夜。キャンプ場内は都会と異なり、小さな照明はあっても(外灯がないキャンプ場もある)人工的な灯りがほとんどなくなってしまう。そのために怖がったり、なかなか寝付けなくなってしまったりする場合がある。
また、昼に興奮しすぎて寝付けなくなるケースも多いようだ。あらかじめ就寝時間を子どもと決めておいて、寝かせるのもいいだろう。
赤ちゃんの場合はなにかあった時の対応が自然の中のオートキャンプ場では「万全」とは言い難い。さらに、夜泣きでもすれば他のお客様の迷惑になるのは目に見えている。
一般的には子どもが幼稚園に入ったくらいからオートキャンプをスタートさせるケースが多いようだ。しかも1家族よりは2家族。幼稚園の仲の良い子どもの家族と一緒に始めるのがいいだろう。親にとってもアウトドア入門仲間がいるのは心強い。

キャンプ用具は、種類や商品のグレードによって値段が大きく変わってくる。
まずは「何が必要なのか」を考えよう。
たとえば、最初はテントとタープ、シュラフ、テーブルは用意しても、そのほかは家庭で使っているものと紙皿、割り箸で行くとなれば、予算はそれだけ少なくなる。
これまでの章で必要なもののリストをあげた。そのなかで、買うものと代用するものを明確にしておきたい。
買い物リストが決まれば、インターネットで検索してみよう。メーカーのカタログページでは「オープン価格」となっていて予算が計算できないケースが少なくない。
しかし、大手インターネットショップの販売サイトを見れば、欲しい用具の値段が表示されている。まずはメーカーのホームページ(この特集にもコールマンジャパン、新富士バーナーのホームページアドレスを巻頭に表示)を検索して、用具の機能を調べる。次にインターネットショップに調べたものの商品名を入れて検索する。この方法でだいたいの価格目安はつく。
一般的には4人家族で6万円前後の予算をとり、必要なものから買っていこう。
大事なのは「キャンプ用具は買い足していくもの」の意識だ。最初からすべてを買おうという気持ちは捨てたほうがいいだろう。

また、キャンプ用品メーカーは春に合わせて新作を出す。もちろん、新作は機能などがさらにアップしている可能性が高い。しかし、低予算で済ませるなら、秋から冬がチャンス。旧製品の価格がダウンしているのだ。ショップなどでもセールが目立つ。

初めてキャンプをする時には事前準備とプランニングが大事だ。
ある程度の予定を決めておくだけでも安心してその日を迎えられる。

○キャンプに行きまでに準備するもの

○キャンプ当日に購入する食料品など

○オートキャンプ場を調べることと予約、予約の際の確認

○オートキャンプ場に着くまでにすること、立ち寄る遊び場

○設営と食事の準備

○オートキャンプ場での遊び

というように、項目を立ててプランニングしていけばいい。
もちろん、突然の雨などでプランが崩れることもある。しかし、それも自然の中での遊びだからこそと余裕をもって。
なお、設営時の注意だが、テントやタープなどを設営する際に闇雲に立てている人が見受けられる。結果としてレイアウトはめちゃくちゃ、張り具合も良くないという悪循環に陥る。説明書を読みながら立てるほうがいいだろう。
しかし、事前にきちんと用具が入っているかのチェックもせず、説明書にも目を通さないではやはりキャンパー失格。本当だが、オートキャンプ場でテントの箱を包装紙から出している人もいるのだ。雨で説明書が開けなかったり、説明書がなかったらどうするのだろう。やはり、新たに購入した製品については設営、撤収の予行演習をしておけば万全だ。最初は先輩キャンパーと一緒に行くのもいいだろう。

1.近くにコンビニはあるの?
「オートキャンプ場の周囲20km以内にコンビニはある」と回答できても、「すぐそばにある」とは言い難い。
これは、予約したオートキャンプ場の「アクセスマップ」で想像がつく。自動車道のインターチェンジで降りて、その後に市街地を通過するのであれば、そこにスーパーやコンビニはあるだろう。しかし、インターチェンジから30km以上も走り、峠などを越えるのであれば、周囲にコンビニがない可能性も高い。
まずはアクセスマップを読み込んでみよう。
さて、近くにコンビニがあるケースだが、一度オートキャンプ場に入っても、閉門(夜間は門が閉まるオートキャンプ場も多い)以外の時間なら、基本的に車で外に出るのは自由。しかし、周りが寝静まった時間にエンジン音をたてるのは感心できない。
なお、オートキャンプ場には売店もあるので、事前にどんなものが置いてあるかホームページなどで確認しておこう。
なにしろ、「不便を楽しむのもキャンプ」。「あれがない」とコンビニに走るよりは、なにかで代用する工夫をしてほしい。
余談だが、かつてBBQに失敗したカップルがオートキャンプ場まで「宅配ピザ」を呼んで、周囲に笑われたという実話がある。都会の当たり前を持ち込むよりも、不便ななかでどう対応できるかがキャンプなのだ。

2.昼夜の気温差は?
昼夜の気温差は行くキャンプ場の立地条件によって、大きく変わってくる。10度ほど差が出る場所もあるので、調整できるように簡単に羽織れる服などを準備しておくと安心。
「衣類をたくさん」と考えると、連泊する時に荷物が多過ぎて車に積めないという事態になりかねない。オートキャンプ場のなかには洗濯機やコインランドリーを設けているところもある。事前に確認しておき、下着などは「洗う」つもりで行けば、衣類は増えなくてすむ。

3.管理人さんは24時間いる?
管理人さんはアウトドアのプロである。異常気象や緊急時には避難のリーダーになるし、火のおこし方やテントの設営方法にも精通している。アウトドア遊びの達人も少なくない。
つまり、管理人さんはオートキャンプの“先生”であり、いざという時の“助っ人”でもあるのだ。何か困った時や急病などトラブルが起きた際は、管理スタッフに声をかけよう。
さて、管理人さんだが、これはオートキャンプ場によって24時間駐在か、昼間のみの駐在かが異なる。
初心者であれば24時間駐在のオートキャンプ場を選ぼう。そのほうが安心だろう。

4.セキュリティー面は大丈夫?
オートキャンプ場内には基本的に管理棟でチェックインをして内部に入ったキャンパーしかいない。しかし、残念ながら「キャンパーに悪人はいない」と言い切れる世界ではなくなってしまった。とくに混雑している時は、誰が誰だかわからない。
テントやタープに“鍵”の機能はない。ジッパーで閉めるだけという現状だ。
また、管理人さんはほとんどの時間を管理棟で過ごす。場内を見回ることもあるが、それは「防犯」目的ではない。さらに、警備員が巡回するわけでもない(逆に警備員が巡回しているオートキャンプ場には行きたくないが……)。
そんな理由から貴重品は自身で管理しないといけない。
もっとも有効なのは“車”である。サイトから離れる時は、車の中に貴重品を入れてロックするのがもっともいい。
テーブルの上にうっかり置いてあった財布がなくなったという例はあるが、オートキャンプ場内で車のガラスが割られた(盗み目的で)というケースは聞いたことがない。車を金庫代りに有効活用したい。

5.携帯電話は使える?
数年前に比べればずいぶん改善されたとはいえ、いまだに携帯電話が通じないエリアはたくさんある。また、種類によって通じる、通じないの差もある。
管理棟にはたいてい電話があるので、いざという時の電話に困ることはないだろう。いずれにしても、予約の時に携帯電話の状況を確認すればいい。
しかし、オートキャンプの時ぐらい、携帯電話などに気を使わずに、自然の中で存分に楽しんでほしいものだ。