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前回に引き続き、“クルマ旅”を推奨する日本RV協会が実施したアンケートに基づいて発表された「キャンピングカー白書2018」から、キャンピングカーユーザーについて考察してみましょう。おでかけ好きなら見逃せません!


“クルマ旅”を推奨する一般社団法人日本RV協会は、キャンピングカーの紹介やキャンピングカーショーの開催、車中泊のための「RVパーク」の整備などを進めています。

さらに、ホームページの閲覧者を対象に数々のアンケートを実施し、その結果を随時発表しています。

それは、日本のキャンピングカー事情を知るうえで、貴重な資料になっています。

さて、「アメリカやヨーロッパなどの広い場所ではキャンピングカーもいいけど…」という意見もありました。しかし、島国・日本でもキャンピングカーは普及を続けており、業界全体の売上げも420億円に達しています。

保有台数は2005年が約5万台、2011年に7万5600台となり、2017年は10万6200台と倍増しています。

これは、キャンピングカーを「移動する別荘」ととらえ、比較的気軽に購入する層が増えたこと、子どもが育った後の夫婦旅の手段としてキャンピングカーを選んだことなどが理由でしょう。

実際に、筆者は北海道で高齢者キャンピングカーグループに出会ったことがあります。彼らは猛暑を避け、夏の間は涼しい北海道に長期間滞在しているのです。

有料の宿泊施設を利用したら、宿泊費だけで相当な出費になるでしょう。しかし、キャンピングカーがあれば宿泊費はほとんどかかりません。キャンピングカーのメリットを最大に活かした例といえます。


まずはキャンピングカーを購入している年齢層について考察しましょう。

過去8年を比べてみると、ほぼ横ばい状態にあって、一つのグループだけが右肩上がりになっています。それは「定年により退職」したグループです。

「これからたっぷりある自由時間。それを有効利用するために、そして夫婦でゆっくり旅をするためにキャンピングカーを購入した」という構図が見えてきます。

それではグループごとの割合を見ていきます。( )内は2009年のデータです。

① 「会社員」36.2%(40.4%):やはり、このグループが第1位です。ファミリーでアウトドアという層が多いのでしょう。
② 「定年により退職」28.5%(19.4%):上記しましたが、右肩上がりのグループです。
③ 「自営業」13.3%(13.5%):8年前とほぼ同じです。
④ 「会社役員」10.9%(10.9%):こちらも8年間ほぼ同様です。
⑤ 「公務員」7%(11.5%):理由は定かではありませんが、年々購入者率が減少しています。
⑥ 「そのほか」3.9%(3.9%):8年前と同じです。

全体的に見れば、高齢者層が増加し、若年層が減少しているという傾向が見てとれます。それは、以下のデータでも歴然としています。

「キャンピングカーユーザーの年齢構成」
① 60歳代:40.8%(30.3% ※2009年以下同)
② 50歳代:30.2%(27.4%)
③ 40歳代:15.6%(29.2%)
④ 70歳代:9.7%(3.2%)
⑤ 30歳代:2.7%(9.2%)
⑥ 20歳代:0.3%(0.4%)

50歳以上でほぼ8割になるという驚愕の事実があります。もちろん、この層は金銭的な余裕もあるのでしょう。しかし、この層はすべて2009年に比べて増加しています。

やはり、効率的な休日の過ごし方を模索した結果、キャンピングカーという結論に達したと考えたほうがいいかもしれません。




「キャンピングカーは高い」と思い、二の足を踏んでしまう人が少なくありません。

たしかに、キッチン、固定式のベッド、トイレにシャワーまで設置しているような大型キャンピングカーは1000万円前後になります。

しかし、ベッドを組み立て式のものに変えたり、トイレを設置していないタイプ、あるいは小型バンタイプや軽自動車をベースにしたタイプにすれば新車でもずいぶんリーズナブルになります。

また、中古市場もずいぶん活発です。これも安く購入できる理由でしょう。

2017年のデータでは購入金額は以下のようになっています。

① 400万円台:16.2%
② 500万円台:14.9%
③ 300万円台:13.6%
④ 600万円台:12.5%
⑤ 700万円台:9.9%
⑥ 200万円台:7.4%
⑦ 800万円台:7.3%

以上のように300万円~500万円台で約44.7%と大半を占めています。ちなみに、1000万円以上は6.7%、100万円台は2.3%ですが、普通車と同じような予算でキャンピングカーは購入できるのです。

筆者のこれまでの取材体験からいえば、キャンピングカーは購入そのものよりも、駐車場の確保に注意したいものです。

自宅敷地が広ければいいのですが、高さがあるキャンピングカーはマンションの立体型駐車場や、民間の駐車場では困難な場合もあります。キャンピングカー販売店のなかには、駐車場の手配まで面倒を見てくれるところもあります。保存する場所にも注意してください。


「なぜキャンピングカーを購入したのですか?」という設問の回答は、普段からアウトドアが好きで、頻繁にクルマでおでかけしている読者のみなさんなら納得できるのでは。

また、家族環境の変化や家族とペットの存在も大きなきっかけになるようです。

① 「夫婦ふたりで旅行を楽しむため」:54.5%
② 「ペット連れの旅行に最適」:39.7%
③ 「子どもたちとキャンプや旅行を楽しむため」:19.7%
④ 「乗用車で就寝していたが快適な環境を求めて」:17.4%
⑤ 「テントキャンプでは不便を感じた」:13.4%
⑥ 「釣り、バイクなどの趣味を活かすため」:12.2%
⑦ 「そのほか」:7.2%
⑧ 「ビジネスに活かすため」:1.1%

さて、キャンピングカーを購入してからの旅のスタイルはどのように変わったのでしょうか。一般車ユーザーはその部分がいちばん気になるのではありませんか?
その回答は以下になります(複数回答)。

① 「出発時間や目的地を気楽に決められるようになった」:81%
② 「立ち寄り温泉や観光施設をめぐるのが楽になった」:51.3%
③ 「経済的な旅行が可能になった」:22.5%
④ 「天候などをあまり気にしなくなった」:15.5%
⑤ 「キャンプ場などに行って自然と接する機会が増えた」:12.4%

第1、2、3位の回答はある意味想定内。うらやましいと思わずにはいられません。しかし、第4位、第5位の回答は「なるほど」と思われるのではないでしょうか。

テントキャンプでは天候が非常に気になります。大雨や大風だったらキャンプ場の予約をキャンセルという例もあるでしょう。しかし、キャンピングカーなら室内で就寝するために、悪天候はあまり気になりません。撤収もテントキャンプに比べたらずっと楽ですから、「雨を楽しむキャンプ」ができます。

それは第5位の回答が示しています。キャンピングカーを購入したために、アウトドアに触れる機会が増えたという人が多いのです。

アウトドア派にはたまらない回答ですね。
     ☆

本アンケートは日本RV協会の「くるま旅クラブ」会員を対象に行っており、回答数は2113人でした。その一部を抜粋して掲載しています。

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< PROFILE >
浜口昭宏
雑誌やWEB編集を始めて数年の編集者。超がつくほどのアウトドア初心者だったが、猛勉強をしてそれなりに成長。アウトドアの中で大好きなシチュエーションは、ビールがおいしいBBQ。
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