1. Smart Accessトップ
  2. おでかけマガジン(+バックナンバー)
  3. 桜を“フォトジェニック”に撮影する3つのポイント!
「Smart Access」おでかけマガジン 毎月2回、「Smart Access」会員のみなさまへ、旬のドライブ&スポット情報をお届けします。
トップページへ戻る


桜の季節です。去年よりも美しく桜を撮影したいものです。そこで、越カメラマンが桜をフォトジェニックに撮るコツをアドバイス。もちろん、いろいろな花咲く木に応用できますよ! 恒例の写真コンテスト情報、壁紙プレゼントもお楽しみに!

今年も桜の季節がやって来ました。俗に「一本桜」と呼ばれる桜は、見た目も美しく、写真にしてもそこそこ絵になりますが、ドライブルートの観光地や並木になっている桜をフォトジェニックに撮るのは難しい場合があります。 そうした桜をどうしたらフォトジェニックに撮れるのか。今回はそんな視点から、撮影時に注意したい3つのポイントと撮影方法をまとめてみました。

静岡県南伊豆町の「みなみのさくら」を撮りに出かけました。
一本桜などと違って、観光地と名の付くような桜の名所は、ほとんどの場合、いろいろな邪魔なものがあって、それが写真を台なしにします。
写真Aでは規制のためのロープ、そしてライトアップのためのライトが写っています。この場面では幸い周囲にありませんでしたが、私がもっとも邪魔だと思うのは“提灯”です!
キレイなものを見たとき、都合よくできている人間の目には、邪魔なものは見えていません。人の目にはキレイだった桜でも、写真で撮るとそうはいきません。
このような邪魔なものが写らない場所を探して撮ることがまずは大切です。
立ち入ることができる少し低くなったところから桜を狙うことで、桜の根元にある菜の花を入れ、その菜の花によって邪魔なライトを隠しました(写真B)。
ちなみに桜に飾られた提灯はなかなか隠しきれません。桜に提灯が飾られていたら、そこは諦めて別な桜を探しましょう。

写真A

写真B

邪魔なものを隠す手段として、桜の花の部分だけをアップにして切り取る方法が考えられます。前回Vol.80で紹介した望遠レンズを使って花を撮る方法がまさにそれです。
しかし、桜並木のような場所では、写真Cのようにただ塊で咲いている桜が撮れるだけで、まったく絵にはなりません。しかも写真Cは、よく見ると背後に電線が入っています。
桜を撮るとき、できれば桜の幹を見せてあげたほうが立体的な桜になり、写真に奥行き感が生まれます。
桜の幹を入れて、周りの邪魔なものも隠して……そう意識して探し当てた場所が写真Dです。この日は曇っていたこともあり、写真Jで紹介する定石の「青空抜き」は使えませんでしたが、探しに探してこの位置・角度を見つけました。

写真C

写真D

観光地の桜や桜並木はたくさんの桜が植えられています。しかも、どれも同じような形です。そのたくさんの桜をいっぱい撮ろうとするのが間違いの元なのです。散漫になってしまい、インパクトのある写真にはなりません。
まだ植えられたばかりの小さなカワヅザクラが富士山を背に咲いている小さな公園。何本もの桜が植えられていましたが(写真H)、そこはグッとこらえて全体を撮るのではなく、もっとも富士山との絡みがよく、周囲の邪魔なものが隠れる1本を選んで狙ってみました(写真I)。
一本桜は1本だから際立つわけで、たくさんある桜もできるだけ「これぞ」という1本に絞ることが大切なのです。
この桜も、将来一本桜の候補生になれるかな?などと考えながら撮りました。

写真H

写真I

邪魔なものを隠し、鮮やかな雰囲気で観光地や並木の桜を撮る“定石”といっていい方法が、青空に向かって下から仰ぎみるように狙う「青空抜き(自称)」です。
写真Jは逆光気味で少し青空が薄いですが、長野県小諸市の懐古園で形のいい1本を狙った例です。また、写真Kは群馬県沼田市で古い建物を覆い尽くす桜を青空抜きで撮影した例です。
この方法、撮り方自体は簡単なのですが、なんせ運次第。樹形のよい桜があるかどうか。そして、青空が出ていないと話にならないこと。このように条件は限られますが、もしキレイな青空を背に撮れるのであれば、その場所で一番青空が似合いそうな1本を見つけ、トライしてみましょう。

写真J

写真K

必ずしも青空バックで撮れるとは限らないので、少々工夫のいる方法も紹介します。
写真Lは、あいにく曇り空の日に群馬県の沼田公園で撮影したソメイヨシノです。沼田公園はかつて戦国武将の真田氏の築城があった場所ですが、桜吹雪が舞う丘に復元された鐘楼を、WBを「電球」に切り換えて夢の中に出てくるようなノスタルジックな光景に見立ててみました。
写真Mは、栃木県西方町にある思川堤防の桜並木。青空ではなく夕日をバックに撮影してみました。逆光になるので、そのままではシルエットになってしまいますが、露出補正をして桜の花の色がうっすら再現される程度に明るくしています。ここではあえて1本の木には絞らず、並木の奥行きを生かしてみました。

写真L

写真M

そのまま撮ってしまったのでは、なかなか個性を引き出しにくい観光地や並木の桜。気を付けたいポイントを頭に入れつつ、“定石”にこだわりすぎないように狙ってみてください。
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘン」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


●JAPAN WEB MAGAZINE
http://japan-web-magazine.com/old-streets

越カメラマンのアドバイスの中にある写真で、「古い町と桜」が写っている写真がありました。日本の古い町並みは、それだけでも“絵”になるものです。
まして、そこに1本桜や、銀杏などの樹木があったら…。
実際、古い町並みには大木が保存されているケースが珍しくありません。
そんな写真を撮影しに行ってみませんか?
JAPAN WEB MAGAZINEは、国内外に向けて「日本の素晴らしさ」を発信するウェブマガジンです。写真をふんだんに用いて、世界遺産、名勝、自然、風景、城、島、日本の建築などを紹介しています。
撮影スポットを探す時の参考にもなるでしょう。

第15回コンテスト・テーマ「写真で残したい!四季折々の風景と高速道路」
最優秀賞「残雪の大山を望むハイウェイ」木浦正夫さん撮影 ※ホームページより
http://www.w-nexco.co.jp/drive_porter/photo_contest/

おでかけマガジンの読者の方なら、ドライブのたびに利用している自動車道。そのなかのNEXCO西日本が開催するフォトコンテストです。
部門はふたつあります。
1)高速道路ベストショット部門
NEXCO西日本管内の四季折々の美しい風景の中にあるサービスエリア、パーキングエリアを撮影した写真。
2)西日本ベストスポット部門
NEXCO西日本管内の高速道路周辺で発見したベストスポットや、絶景、名所などを撮影した写真。なお、被写体に高速道路が含まれる写真は部門1で応募ください。 西日本におでかけする際に、フォトコンテストを意識して撮影してみましょう。
応募締切 :
7月31日(火)
※撮影期間は2017年8月1日~
応募形態 :
JPEGデータをWEBサイトで応募、2Lサイズを郵送
賞品など :
部門1/最優秀賞1作品-旅行券10万円、優秀賞2作品-旅行券5万円など
部門2/ベストスポット賞1作品-旅行券5万円、ベストシーズン賞(各四季1作品)-旅行券3万円など

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!
編集スタッフが取材ででかけたときに、その合間に撮影した写真でよろしければ…。という主旨の「壁紙プレゼント」コーナーです。
昨年の9月からたびたび京都と大阪にでかけている編集室です。京都からは仏閣のイメージと竹林を。大阪からは「これぞ大阪」のたこ焼きとお好み焼きを。「え、これが壁紙」と思われるかもしれませんが、じっと見ていると、なんとも食欲が増してきますよ!
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
  • スポット特集
  • B級グルメ特集
  • オートキャンプ特集
  • レジャー&リゾート特集
  • ロケ地特集
  • 絶景特集
  • 子供といっしょにお出かけ特集
  • 特産品・名産品特集
  • 温泉・スパ特集