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「桜の写真を撮ろう」と思う季節の到来です。桜名所にカメラと三脚を持ってでかけてみても、撮影場所が限定されており、人の波で「傑作は撮れなかった」というケースがほとんどです。光と周囲の情景を考えれば自分だけの傑作桜も撮影可能です。

いよいよ春本番。桜の便りがちらほら聞かれるこの季節、あちらこちらへドライブを計画中の方も多いと思います。当然、「お花見に!」ということで、桜の名所へ出かける方もいらっしゃるでしょう。
でも、桜の名所はどこも人だらけ。駐車場待ちで時間を取られてしまい、全然桜を楽しめない、なんてことも…。
そこで、決して有名ではないけれど、ちょっと視点を変えて、自分だけの美しい桜の名所を写真で見つけてみませんか!

埼玉県の権現堂堤の写真です。ここは桜の名所で堤防にナノハナも植えられ、青空とのコントラストを写真にできればそれは見事なものです。
しかし、あくまでも桜が咲く時期に青空が出て、なおかつ人がほとんどいないという奇跡的な条件が揃ったときだけ。これだけ快晴の日に、人がいないなんていうのはありえません(この写真は、人がまばらな早朝に出かけ撮影しています)。
しかも、これ以上の写真を撮るとなると、打つ手に困ってしまいます。それだけ、この写真のようなイメージが頭に入っているため、そこから離れられなくなっているからです。
そこで、今回はちょっと視点を変えた桜の狙い方を解説したいと思います。

写真A

桜の名所はもちろん桜がキレイな場所ですから、キレイな写真が簡単に撮れそうに思えます。実は、それが決定的に間違っています。
桜の名所は、桜の花はきれいであっても写真で撮ろうとすると一苦労します。
桜を撮る場合、いかにして周囲の情景をうまく絡め、光が作り出す陰影をとらえられるかが決め手になります。それを念頭に考えると、桜の名所というのは、桜に提灯が飾ってあったり、人がたくさんいたり、撮影できる場所や時間が限られたりと、思っている以上にハードルが高くなります。
写真B写真C写真Dはその例で、長野県小諸市の懐古園で撮影した桜の写真です。
写真Bのようにキレイな桜を建物と絡めて撮影しようとしても、他の観光客が入ってしまったり、提灯用の電線を避けきれなかったりと、なかなかうまくいきません。
このような桜の名所では、広目に撮るのではなく、部分をアップ目に狙うことです。
そのときも写真Cのように漠然と撮るのではなく、写真Dのように桜の樹形のよさと背景の絡み具合をしっかり吟味する必要があります。
さらに、お客さんが比較的少ない「早めの時間」に行くことが最も大切です。

写真B

写真C

写真D

桜の写真を撮るときに大切なこと。それは名所であるよりも、むしろ名もない桜でもいいので、いかにいい情景と絡められるかです。
写真E写真Fは群馬県沼田市の沼田公園のすぐ脇で撮影した写真です。
沼田公園も桜の名所ですが、その中心のイベント会場には目もくれず、公園脇の桜を狙いました。
最初は道路の真ん中に立ってそのまま撮影していました(写真E)が、それだと桜が引き立たないので少ししゃがんで仰ぎみるように撮影しました(写真F)。できるだけ形のおもしろい桜の木の下に入り、幹に迫るような感じで狙っています。そして、古い土塀や建物をさりげなく桜の下に添えるように入れています。

写真E

写真F

写真G写真Hは同じく群馬県沼田市の発知のヒガンザクラです。
数多くの観光客が訪れる名木ゆえに、根もと付近は当然立ち入り禁止になっています。しかも、この日は曇り空で、目も当てられません(写真G)。
そこで、少し離れた場所に移動し、望遠レンズで狙ったのが写真Hです。背景に曇り空が入らないようにしたこと、そして手前に別のソメイヨシノの花を入れて立体感を出すようにしています。ここでも周囲の情景とどう絡めるかが決め手になっています。

写真G

写真H

写真I写真Jは東京の目黒川で撮影しています。
ここも桜の名所ですが、人通りの多い場所を避けて外れで撮影したカットです。
こちらの大きな違いは光線状態。光がなくメリハリのない写真Iに対し、光が差して煌めく水面をバックにできた写真Jのほうが印象深く仕上がっています。

写真I

写真J

今回見てきたように、桜写真の上達の鍵は周囲の情景と光線状態が握っています。
名所の桜もいいですが、人は少ないけれど、ひっそりと可憐に美しく咲く桜を、ドライブの途中でぜひ見つけてみてください。
写真K解説:目黒川に浮かぶ桜の花びらと、水に反射する青空の色合いをアンダー目の露出で狙ってみました。

写真K
< PROFILE >
こし のぶゆき
1968年神奈川県生まれ。カメラ専門誌や旅雑誌の撮影・取材を行なう傍ら、「メルヘンステーション」をテーマに全国の駅を撮影し、雑誌などに作品を発表している。公益社団法人日本写真家協会会員、日本旅行写真家協会理事。


越カメラマンがアドバイスする「桜の名所以外の場所」ではありませんが、桜の名所を教えてくれるのが「Travel.jp」の中のコンテンツ「一度は行きたい桜の名所! 専門家が教えるお花見スポット2016」です。
「Travel.jp」は月間利用者1300万人を誇る旅行比較サイトで、国内ツアーや海外ツアーの予約ができるほか、航空券の購入なども可能です。
そのなかに編集色の強いコンテンツがあり、「たびねす編集部」が提供する旅情報を発信しています。桜の名所ガイドも、旅関連のナビゲーターたちが推薦したところが掲載されています。写真もきれいですので、一度のぞいてみたらいかがでしょう?

●一度は行きたい桜の名所! 専門家が教えるお花見スポット2016
http://guide.travel.co.jp/matome/4/

「おでかけマガジン」より、みなさまへ読者プレゼント実施中!

http://www.stepon.co.jp/photocon/

「全国の皆様に美しい写真をお楽しみいただくのと同時に、写真文化の向上を目的」として2014年に始まったコンテストです。
今回のテーマは「日本の風景」。プロフェッショナル部門と一般部門があり、入賞者数は500名(プロ・一般合計)! 入賞のチャンスです!!
織作峰子さん、高砂淳二さん(共に写真家)、椎名誠さん(作家)らが審査員を務めます。ちなみに椎名さんのコメントは「写真はきれいでなくてもいい。必ずしもピントが合っていなくてもいい。それを見てそれぞれの心がなごめれば、それが一番いい」です。細かいところにこだわらず、「この写真が好きだ」を応募してみましょう。

募集締切:2016年5月25日(水)
発  表:
住友不動産販売ホームページ、『アサヒカメラ』9月号
賞品(一般):
金賞1名/賞金30万円+賞碑+賞状
銀賞3名/賞金10万円+賞碑+賞状
銅賞(10名)、入選(50名)、エリア賞(11名)~優秀賞(100名)~
ステップ賞(300名、写真集掲載+オリジナルクオカード+賞状)など多数。
編集部が取材ででかけて撮影したたくさんの写真の中から、壁紙向きの写真をプレゼントします。お気に召されたら、壁紙などにお使いください。



中国は広く寒い地方から暑い地域まであるので、マーケットには春夏秋冬の野菜や果物が一度に並びます。しかも、果物の隣にはお菓子まで山積みで…。マーケットで撮影した幾何学模様のような商品の写真、なんだかおもしろくなってたくさん撮影しました。
< 著者PROFILE >
構成と写真
岩崎幸則
東京都生まれ。雑誌編集などを経てカメラ&ライターになる。現在は旅行雑誌、企業会報誌などに執筆。プロレス観戦が趣味。
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