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  3. 絶壁の岩の隙間から湧出する無色透明のピュアな自噴泉 岡山県・真賀温泉
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岡山県・湯原温泉郷にある真賀温泉は、知る人ぞ知る、奇跡の湯だ。なにげない国道沿いの日帰り温泉のようでいて、700年の歴史をもつ、すばらしい泉質の自噴泉なのだ。

真賀温泉
所在地:岡山県真庭市仲間
TEL:0867-62-2953
●泉質:アルカリ性単純温泉
●源泉温度:39.5度
●湧出量:205?/分
●pH:9.4
●日帰り入浴:7:00~22:00
●入浴料:(普通湯)大人150円、3歳~小学生100円、(幕湯)大人250円、3歳~小学生150円、(家族湯)1000円


真賀温泉外観。絶壁に沿うように建物が建っている。上の階が入口。

真賀温泉入口

「幕湯」。床は石が敷き詰められ、浴槽は巨大な岩盤になっている


「幕湯」の湯底から竹筒が伸びており、岩の隙間から湯が勢いよく吹き出す

「普通湯」の男湯。湯底で隣の女湯とつながっている。4つの浴槽のほか、階下に2つの家族湯がある

米子自動車道・湯原ICを出て、国道313号線を南下する。左手には旭川が流れ、右手には櫃ケ山の絶壁がせり出している。

ほんの10分ほど走ると、右手に真賀温泉の看板が見えてきた。

数少ない駐車スペースを確保してクルマを下りると、見上げるような急勾配の階段が迫ってきた。二階建ての真賀温泉館が、岩肌に寄り沿うように建っている。

湯原温泉郷のひとつ、真賀温泉は約700年前に発見された。療養温泉番付にも名を連ねた名湯だ。

『真賀温泉略記』には、後醍醐天皇を奉じて戦に敗れた武士たちが、元弘年間にこの湯を発見し、浴室を設けたいきさつが記してある。

文保二年(1318)、鎌倉幕府打倒を胸に秘め、天皇親政を理想に掲げた後醍醐天皇が即位した。

元弘元年(1331)八月、後醍醐天皇の側近である吉田定房が六波羅探題に討幕計画を密告するところから事態は急変する。世にいう元弘の乱だ。

後醍醐天皇を中心とした勢力による鎌倉幕府討幕運動で、幕府軍が迫るなか、後醍醐天皇は三種の神器を持ち出して御所を抜け出し、山城国(京都府南部)笠置山で挙兵する。

だが、幕府軍の圧倒的な兵力になすすべもなく、後醍醐は側近らとともに幕府にとらえられる。

元弘二年(1332)年十一月、楠木正成が河内国(大阪府)の千早城で挙兵すると、護良親王も吉野で挙兵し、討幕の綸旨を発する。

隠岐島(島根県)に流された後醍醐は、元弘三年(1333)に島から脱出。伯耆国(鳥取県中西部)の船上山に入って討幕の綸旨を天下に発した。

これに呼応して丹波国(京都府亀岡市)では足利高氏(尊氏)が挙兵。上野国(群馬県太田市)では新田義貞が名乗りを挙げ、鎌倉へとなだれ込んでいく。

北条高時をはじめとする北条氏はこうして追いつめられ、鎌倉幕府は滅亡するのだ。

真賀温泉館の入口を開けると、左手に待合室、右手に浴室へのトビラがいくつか並んでいるのが見えた。番台の上に料金表が掲げてある。

普通湯、幕湯、家族湯という種類があり、それぞれ料金が異なる。?

あらかじめ自分の入りたい浴槽を選んでお金を払うというシステム。変わった料金体系だが、湯船を見て納得した。

湯船は崖に沿ってしつらえられ、4つの浴槽が並んでいるのだ。

一番左は家族湯の「玉乃湯」。これは貸切で3人まで入れる。

隣は「幕湯」。かつて殿様が幕を張って入浴したことから、この名前が残っている。

3番目が「普通湯」の男風呂、そして一番右が女風呂だ。

4つの浴槽はいずれも同じような大きさで構造も同じだ。

幕湯は男女の別がなく、当然ながら混浴となる、しかも脱衣所は浴室に入ったところにしかないため、そこで脱ぐしかない。女性が入浴するのはかなり勇気がいる。

ではなぜ、幕湯の料金が高いのか。それは、源泉でもあるからだ。

湯船は岩盤をくりぬいて造られており、太い竹筒が湯底に突き刺してある。

竹筒の上から、湯が次から次へとあふれ出てくる。湯底から膨大な量の温泉が湧いているのだ。

単に源泉が湧くだけなら、なにも湯口に竹筒を差し込む必要はない。地元の常連客は、筒からあふれ出てくる湯を飲むためにこうしているのだという。

お客さんが途切れたところで、あわてて服を脱いで幕湯に入った。無色透明。透き通った湯で湯底まできれいに見える。無味無臭のアルカリ性単純温泉。

重曹泉というほどではないが、ナトリウムイオンと炭酸水素イオンが高い。

だから飲めば胃酸を中和してくれるし、糖尿病や痛風にも効果がある。しかもアルカリ性の湯は肌がすべすべになる「美人の湯」だ。

フレッシュで新鮮な湯が、適温でどんどん湧出する「ぶくぶく自噴泉」。

何物にも代えがたい、これはまさしく自然の恵みの奇跡の湯だ。

川沿いに湧くのではなく、崖沿いに湧く温泉だからこそ、このような建物になったことがよくわかった。

日帰り入浴施設は数あれど、ありきたりな温泉とは一線を画す、すばらしい泉質のピュアな温泉だった。


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< PROFILE >
長津佳祐
ゴルフや温泉、クルーズ、スローライフを中心に編集・撮影・執筆を手がける。山と溪谷社より共著で『温泉遺産の旅 奇跡の湯 ぶくぶく自噴泉めぐり』を上梓。北海道から九州まで自噴泉の湯船を撮り下ろしで取材した、斬新な切り口の温泉本になっている。
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