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5月22日の参議院内閣委員会でのこと、2016年から8月11日を「山の日」と定める祝日法改正案が賛成多数で可決された。8月唯一の国民の祝日になる山の日。この日は仲間や家族で山にでかけると決めてみたらいかが?


自分のペースを保ってハイキング開始。一歩ずつしっかり足元を確保するのが大事


自然の中を歩くのは心身ともにリフレッシュできる。最近は子ども同伴のハイカーが増えた

昨年、この連載で「山小屋体験しよう」というコラムを書いた。

そのテーマを思いついたのは、山梨県にある八ヶ岳中腹の秘湯・本沢温泉に行き、山小屋に宿泊したからだ。
本沢温泉は日本最高所の野天温泉と呼ばれているだけに、そこをめざして歩き、山小屋に到着後に露天風呂を心行くまで満喫したハイキングは楽しいものだった。
ぼくは学生時代サッカー部に所属しており、社会人になって雑誌作りに励んでいるときもフットサルを続けていた。

しかし、40歳を過ぎて横浜から江東区に引っ越し、通っていたスポーツクラブが遠くなると、すっかり運動不足になってしまった。

大学サッカー部サイドバックのレギュラーのころは筋肉質な63㎏だった。しかし、40代半ばのぼくは筋肉がないのに86㎏に達していた。

予定していた電車に乗るために少々走れば汗だくになって周囲に胡散がられる。何かを食べれば汗が髪の毛の間から流れ落ちる。

事務所の廊下を歩けばゴミ箱を転がしてしまう。
細かったときの視野と感覚が残っているために、そのままのつもりで歩くとゴミ箱を蹴ったり、すれ違う人にぶつかったり…。

太っちょは歩くときに腕が広がり、足もガニ股になる。なぜなら肉がこすれるからである。だからゴミ箱を転がし、人に激突するのだ。身を以てわかった。

それでも、最初のうちは日焼けをして、アロハを着て、「ハワイのアイスクリーム売りみたいでしょ」なんて笑っていた。

しかし、徐々に血圧はあがり、心臓の動機も激しくなり、「これじゃ、いかん」と痛感したのだ。

そのときから始めたのが日常的なウォーキングと、時折のハイキングだった。


高尾山の六号路の入り口。琵琶滝を経る渓流沿いのコースだ


山小屋の前で清流に冷やされた缶ビール。思わず手が出る魅力的存在


中房温泉の足湯。ハイキング後最大の癒し。宿泊前にここでゆっくり

ウォーキングは近所でもできる。周囲の住宅地を歩き、公園に立ち寄り、近隣での小さな発見に喜びを感じればいい。

雨が降らなければ十分にひとりで楽しめる。

でも、ハイキングとなるとそうはいかない。仲間がいないと楽しくはないし、ひとりで何時間を歩く根性があるかどうかも疑問だ。

最初に仲間を誘って登ったのは高尾山だった。

ケーブルカーやリフトを使わずに、高尾山口駅から琵琶滝を経て山頂まで行く「六号路」を歩いた。「歩こう!」と決意してのハイキングだから、ケーブルカーに乗るのは自分へのルール違反に思えてしまったのだ。

最初のうちは余裕で年配の登山者を抜いた。しかし、長くは続かない。

斜度がきつくなる山頂付近でもういけない。さっき追い抜いた年配の人にどんどん抜かれていく。太刀打ちができない。

やがて、颯爽と歩く年配者の姿を、汗だくになって道端に座り込み、唖然と眺めている自分がいた。

「ウサギとカメだ…」、心で泣いた。

それから定期的なハイキングを決めた。

一歩一歩を楽しみ、自然を肌で感じ、あわよくば痩せて健康を維持する。

幸い、ぼくには仲間候補がいた。アウトドア雑誌の編集長をしていたころに、キャンプ場で知り合った人たちだ。

「ハイキングをしないか?」と誘うと、何人かが同意してくれた。

しかし、みんな会社勤めだから、日程調整が難しい。

そこで、「海の日の連休はハイキングのために空ける」という身勝手なルールを押し付けた。

それから、中房温泉をベースに近隣の山を歩き、本沢温泉などにでかけるようになった。


雨の日ハイク。雨具など用具をひとつずつ揃えるのも楽しいひとときだ


蓼科のおすすめ、奥蓼科の「渋御殿湯」。湯船の底から白いぬるめの湯が泡と共に湧く


雪景色の乗鞍岳。雪山に登るにはぼくの経験ではムリ(笑)。まずはハイキングを謳歌

今年の海の日の連休は行先がすでに決まっている。

上高地の五千尺ロッジが1泊目。2泊目は徳沢あたりのキャンプ場で野営をする。いつもの仲間と行くハイキングだ。

上高地は一般自動車が入れない土地だから、自然と澄んだ空気を満喫しようと思っている。

2016年からは山の日の行事になるかもしれないが、海の日に定期的にハイキングをしていて気付いたことがある。

近ごろは家族連れハイカーが目立つのだ。

祖父の山小屋が蓼科にあったことを、このコラムで何回か書いた。小学生のぼくたち兄弟は、夏休みのほとんどをそこで過ごしていたが、会社勤めの父は数日しか来られない。

たまに父が東京から来たときは、決まってハイキングになった。

蓼科のプール平から白樺湖への八子ヶ峰コースを家族で歩いた。小学生でも片道3時間ほどで歩けたと記憶している。

それでも自分の足で長時間歩き、山を越えて湖に辿り着く達成感は、今でも忘れられない。

昆虫や植物を持参の図鑑で調べたのも覚えている。

ハイキングは多くのことを子どもたちに教えてくれた。

小学生高学年になると、標高1833mの八子ヶ峰から標高2531mの蓼科山に行先が変わった。

楽しいだけだったファミリーハイキングに、多少の苦しみが加わった。昆虫採集や植物観察に没頭する余裕はなくなったが、そのぶん達成感は増大し、それができた“自分”への自信が深まった。

2016年から始まる山の日は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝すること」が趣旨でもある。新祝日をきっかけに、ハイキングを始めてみたらいかがだろう。


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●本沢温泉
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●高尾山
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●中房温泉
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●上高地・五千尺ホテル、ロッジ
http://www.gosenjaku.co.jp/
●蓼科観光協会
http://kk.tateshina.ne.jp/index.html
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に共著の『温泉遺産の旅 奇跡の湯 ぶくぶく自噴泉めぐり』、一部執筆&プロデュースの『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」の連載ほか。
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