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明治43年に建てられた旧小学校校舎で開催される地産食材を使ったレストラン。14年ぶりに復活するJR水郡線の蒸気機関車。さらに「常陸秋そばフェスティバル」。この秋の茨城は“なつかし体験”の宝庫なんです!

期間限定で地産食材を生かしたレストランになる明治43年築の旧上岡小学校


東京・新橋の広場にあるSLもC11。同型の蒸気機関車が水郡線を走る
幼稚園か小学校低学年のときだった夏。ぼくは父と母に連れられて蒸気機関車の中にいた。

「もうすぐ長いトンネルだから窓を閉めて」と、父に指摘されたのを今でもはっきり覚えている。

今から思えば笹子峠の下の長いトンネルに入る直前の出来事だった。蒸気機関車から出る石炭の煤(すす)がトンネル内では拡散されないために、窓から大量に入り込んできて顔や洋服を黒く染める。

そんなことは知らないから、窓を全開にして心地良い外の空気を楽しんでいたぼくに父が言ったのだ。

ぼくは注意されたことよりも、この先に長いトンネルがあるのを知っている父に心から感心してしまった。「父は物知りだ!」。

蒸気機関車の旅は、当時あったスイッチバックなどを経て茅野駅まで続き、駅からバスで上った蓼科高原で信州そばや高原野菜を使った食事を楽しんだ。

今からもう半世紀も前の出来事だ。

ぼくは東京生まれである。祖父も東京に住んでいたから、ふるさとと呼べる土地がない。小川が地下に消えた、高層ビルが建ったという周囲の変化はあっても、それはごく自然に都会では進行したから、なんだか胸がほっこりするようなふるさと経験がない。

あのときの蒸気機関車の旅が、ぼくの数少ない家族で過ごした疑似“ふるさと経験”だったように思うのだ。

イタリア料理の「アクアパッツァ広尾」のオーナーシェフ日高良実氏がプロデュースする


茨城県北の名産品が日高氏の腕によってみごとなイタリアンに!
仕事で何度も茨城県に行ったが、そのときに出会った友人からこの秋の茨城イベント情報を耳にした。

それはどれも“ふるさと体験”なのである。年配の方には幼いころの記憶が蘇るものになるだろう。

子どもたちにとっては、ぼくが蒸気機関車の旅を今でも鮮明に覚えているように、疑似ふるさと体験として生涯を通じて印象に残る日になるかもしれない。

まずは秋から冬にかけて行うイベントを紹介しよう。

それは明治43年に建てられた旧上岡小学校を用いて開催される「おいしいさとやま学校」だ。

日本三名瀑のひとつ「袋田の滝」で知られる久慈郡大子町において、地元食材を活用した料理やスイーツを提供するレストラン「おいしいさとやま学校」が10月6日~12月9日まで期間限定でオープンする(営業時間10:00~19:00 水曜日休)。

使用される食材は茨城県北地域のものがメイン。凍みこんにゃくやリンゴなどを使った食事やスイーツが提供されるという。

プロデュースはイタリア料理「アクアパッツァ広尾」のオーナーシェフ日高良実氏。

茨城県北地域の取材では奥久慈しゃも、イワナなどの川魚、太平洋の幸、さらに広大な土地でできる数々の野菜やフルーツなど、「食の王国・茨城」の実力を思い知った経験がある。

どんなお料理が提供されるのか、原稿を書いている今もわくわくしてしまう。

期間中の土日には教室での様々なワークショップや講堂を利用した音楽会&食事会などの開催も予定。

NHKの朝の連続ドラマ『おひさま』のロケ地にもなった旧上岡小学校が、新しいかたちで蘇る。

常陸秋そばを使用した「つけけんちんそば」も話題に


そばの食べ比べや「そば打ち体験」もできる


全国から”そば通”が集まる「常陸秋そばフェスティバル」
茨城県北の名物のひとつに「常陸秋そば」がある。

そば畑といえば言葉は悪いが「蒔きっぱなし」の感もある。しかし、常陸秋そばの取材に行って驚いた。畑に畝(うね)を作り、非常にていねいにそばが栽培されている畑が目立つのだ。

そこに植えられたそばには栄養が行きわたり、結果として満開の花を咲かせる。

そば特有の香り・風味・甘みに優れているのが特徴の手間ひまかけて育てられたそばは、全国のそば職人や有名店、そば通から高い評価を受け、「玄そば」最高峰と呼び声高きブランドそばとして知られている。

「常陸秋そばフェスティバル2012」は11月9日(金)~11日(日)に開催。9日はJR常陸太田駅前広場で前夜祭イベントを開催。

10日~11日は常陸太田市宮の郷町「宮の郷工業団地」において、新そば食べ歩きや特産品の販売など。

さらにそば発祥の地として全国に知られる「常陸太田市(金砂郷地区)」でも毎年11月の新そばができる時期にあわせて「常陸秋そばフェスティバル」を開催。

当日「そば打ち体験教室」などが開催される。

そして、最後に紹介するのがSLの復活!だ。

JR水郡線に14年ぶりにSLが走る。水郡線の水戸⇔常陸大子間を結ぶもので、11月30日(金)~12月2日(日)限定でC11が走るのだ。

この秋のドライブおすすめ地域は断然、茨城。

歴史ある校舎と魅惑のグルメ、そば通をうならせる常陸秋そばにSLの疾走を眺める。

ふるさとが感じられる体験になるだろう。

”ふるさと体験”ドライブの参考に

●おいしいさとやま学校
http://oishii-satoyama.com/

●常陸秋そばフェスティバル【常陸太田市】
http://www.city.hitachiota.ibaraki.jp/index.php?code=366

●SLの時刻表などがわかります【JR東日本水戸支社】
http://www.jrmito.com/train_info/index.html
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載
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