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暑くなると海に行きたくなる! 海に囲まれた島国・日本の人たちの普通の感情だろう。ぼくたちはぶらりと海を訪ねるだけだが、その海には年間を通じて棲んでいる生物たちがいる。なんの準備もなしに海の中が覗ける“海中展望船”に乗りに行こう。

魚が群がる美しい海は日本にもたくさんある


空の上から海を楽しむのもいいけれど、水族館好きな日本人なら海の中を眺めてみて!


展望室が海の下にある半潜水型海中展望船が断然おすすめ!
ぼくが初めて海中見物できる船に乗ったのはハワイでのことだ。

優雅なホテルが建ち並ぶワイキキビーチから小型船で沖合に。そこには海中観察用の潜水艦が待っていた。

艦内の両側には大きな窓が設置されていて、海中が存分に眺められる構造になっている。

やがて潜水艦は動き出し、ワイキキ沖の海の散策が始まった。

サンゴ礁が幻想的な世界を作り出す。そのあいだを群れになって泳ぐ銀色の魚がいる。赤や黄色の色鮮やかな魚も姿を現す。

イソギンチャクの中から“ニモ”の名で世界中の子どもたちが知っている(?)カクレクマノミが顔を出す。

圧巻は2匹のウミガメが悠々と泳いでいる光景だった。

「さすが、ハワイの海はすごい!」と感激したものである。

ところが!! その光景は常夏の島の専有物ではなかった。

取材で訪れた愛媛県で「宇和海海中展望船」に乗ったときのこと。目の前にハワイと同様の美しい海が広がり、イソギンチャクの中からクマノミが顔を出したのだ。

「日本でもハワイのような熱帯魚が見られるんですね!」と感激するぼくに、「もちろんです。色鮮やかな魚がたくさんいますよ」と、船長さんはきっぱり。

そうなのだ。日本の海でもクマノミは見られるのだ!

海中展望船に乗るには何の用意もいらない。スクーバダイビング、シュノーケリングと異なり、特別な道具や水泳技術もいらない。そこに行くだけで(乗船料は必要ですが)、海中探索が楽しめる。つまり、もっとも簡単に海の中が覗ける手段なのだ。

デッキの下の展望室はこのように両側に広い窓が設置されている


半潜水型海中展望船は魚と同じ視線で海中が見られるのが特徴


取材日はあいにくの雨。海中もややにごっていたが、それでもさまざまな魚を発見
ハワイの海、グアムの海、沖縄の海といえば「サンゴ礁の海」のイメージだし、実際にそのとおりだ。

だからこそ、ハワイや沖縄まで行かないとクマノミをはじめとするサンゴ礁が似合う熱帯系の魚は見られないと思っていた。
しかし、サンゴの分布を調べてみると、案外身近な場所まで及んでいるのがわかる。

世界的に見れば日本はほぼ北限にあたる。ただし、「黒潮」の存在が独特の分布を構成しているのだ。

ご存じのようにサンゴは生物だから、放卵放精型のサンゴもおり、その卵は海に漂う。

種類数は徐々に減っていくものの、琉球列島周囲だけでなく、黒潮ルートにのって九州、四国、本州にまでサンゴは分布されているのだ。

日本海側では石川県の海域、太平洋側では東京湾、とくに館山の海でサンゴが確認されており、現在ではそれらの海が北限と考えられている。

そう、思わぬところでサンゴやクマノミは見られるチャンスがあるのだ。

試しに千葉県館山の海中船「サブマリーンたてやま号」のホームページを確認すれば、出会える魚たちのコーナーに、カワハギやマアジに混じり、クマノミがしっかり掲載されていた。

一方、床にガラスがはめ込まれたタイプの船だと、上から魚を見下ろしての鑑賞となる。この場合は海風が気持ちいい


海中展望船の発着点は豊穣の海。鑑賞後は地元の魚介類を楽しもう(熊本・牛深の海鮮丼)
日本にある水族館数は約70館で世界一の数と日本経済新聞に以前掲載されていたが、つまりそれだけ日本人は魚鑑賞が好きなのだろう。

ただし、水族館が人工的な世界なのに比べて海中展望船で見るのは(多少の餌付けがあっても)、自然のままの海の姿だ。
そこに魅力がある。

ところで、“海を眺める船” といっても大きく分けて2種類あり、船の床部分がガラスになっていて底が覗けるタイプと、客席が水中にあって目の前のガラス越しに海の中が見られる半潜水タイプがある。

どちらも海を覗くのに最適な構造だが、後者は海中展望船と呼ばれ潜水艦に乗ったような気分が味わえる点が気に入っている。

前者は上から魚の世界を覗くかたちになるが、後者は魚と同じ目線で海中を見られるのがいい。

この夏こそ特別な装備もいらずに海の中が覗ける海中展望船に乗ってみよう!



ちょっとシュールなおまけ(笑)。

海中展望船が出航する多くの場所はきれいな海があるところ。そして、その海は恵まれた海でもある。

ぼくはこれまでに千葉県・館山、和歌山県・南紀白浜、愛媛県・宇和海、熊本県・牛深で海中展望船に搭乗したが、その港の周囲には新鮮な魚介類を食べさせるお店がたくさんあった。

海中を眺めるだけでなく、それを遠慮なくいただくのも、プラスαの楽しみだろう。

“ニモ”に会える可能性のある「半潜水型海中展望船」
※沖縄県や屋久島、五島列島などにもありますが、クルマでおでかけできるところを中心にセレクトしました。
※天候により運行状況は変わります。おでかけ前に必ずチェックしましょう。

●サブマリーンたてやま号【千葉県館山市】
http://nitto.ecnet.jp/tateyama.html

●南紀白浜グラスボート【和歌山県西牟婁郡白浜町】
http://www.glasboat.com/

●串本海中公園ステラマリス【和歌山県東牟婁郡串本町】
http://www.kushimoto.co.jp/facilities_stella.php

●宇和海海中公園・鹿島ユメカイナ【愛媛県南宇和郡愛南町】
http://www.town.ainan.ehime.jp/sight_spot/1_04_kasima.html

●足摺海底館たつくし海中公園半潜水中展望船【高知県土佐清水市】
http://www.a-sea.net/tatsukushi/kaityu.html

●マリンパル呼子海中展望船ジーラ【佐賀県唐津市】
http://www.marinepal-yobuko.co.jp/fl_ze.html

●うしぶか海中公園サブマリン号【熊本県天草市】
http://blue-marine-srv.co.jp/
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載
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