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  3. 朝日を見ながら入りたい 波打ち際の絶景露天風呂 静岡県東伊豆町/北川温泉
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東伊豆には、広大な太平洋を見ながら入れる、海沿いの3つの露天風呂がある。大川、北川、熱川と温泉地は異なるが、波打ち際の絶景露天風呂はどれも個性的だ。

伊豆北川温泉 黒根岩風呂
所在地:静岡県賀茂郡東伊豆町北川温泉
TEL:0557-23-3997(北川温泉観光協会)
入浴料金:600円(北川温泉宿泊者は無料)
営業時間:6:30~9:30 16:00~23:00(金土日祝13:00~23:00)
(女性専用タイム:19:00~21:00)
泉質:ナトリウム-カルシウム・塩化物温泉(含石膏-弱食塩泉)
源泉:92.2度
小田原厚木道路から国道135号線に出ると、景色は一変する。

相模湾を左手に、大海原を眺めながらのドライブ。もう何年になるだろう。
伊豆をクルマで走るのは久しぶりのことだ。
東伊豆にあるという波打ち際の露天風呂をめざし、伊豆半島をひたすら南へ向かった。  

真鶴から湯河原を通過すると、大きな温泉旅館やリゾートマンションが立ち並ぶ熱海が見えてきた。
錦ヶ浦のトンネルを抜け、さらに海沿いを進む。  

湾曲する海岸線が旅情をかきたてる。交通量も少ないようで、走りも順調だ。  

網代、宇佐美を経由し、ようやく伊東を通過した。東名自動車道に乗ってから、すでに2時間が経過した。目的地まではもうすぐだ。  

北から大川、北川、熱川。
東伊豆町にあるこの3つの温泉地には、海に面した絶景の露天風呂が点在するという。
今回の旅は、波打ち際の露天風呂をたどるドライブだ。 

じつは海岸線の道路が開通したのはそれほど昔の話ではない。
伊東から下田へ向かう東海岸道路が開通したのは1933年(昭和8)年7月のこと。
現在のように整備された稲取・熱川区間の道路が開通したのは1962(昭和37)~1967(昭和42)年になってからと、まだ比較的新しい。


ひと口サイズの北川あじ鮨は10貫で1050円
食事処 磯辺
所在地:静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本1131-35
TEL:0557-23-0366
営業時間:11:30~15:00、17:30~22:30
定休日:水曜日
伊豆半島は天城山が南北を分断している。江戸中期以降になって、初めて陸路での物資輸送が可能になった。伊豆半島の中央を南北に走る下田街道は、昭和初期まで人の往来が主であり、南伊豆への物資の行き来は海運に頼るしかなかった。

東海岸道路の開通とともに伊東-下田間のバス運行が開始され、伊豆半島はようやく観光地として注目されるようになるのだ。  

今回の一番の目的地、伊豆北川温泉の黒根岩風呂は、まさしく絶景の波打ち際の湯だった。  

温泉協会が宿泊者を対象に無料で開放しており、朝は6時30分から9時30分までしか入浴できない。もちろん日帰り入浴も可能だが、日中は営業しておらず、午後の部は夕方16時から深夜までとなる。  

朝の入浴時間に間に合うように出発してきたつもりだが、到着したのはクローズする30分前だった。

「アメリカを見ながら入る野天風呂」  

露天風呂を囲う大きな石に、かすれた文字でそう書いてある。  


熱川温泉街から少し離れ、海沿いを北に向かったところにある「高磯の湯」。夏はプールもいっしょに楽しめる。3つ並ぶ波打ち際の露天風呂のなかで、開放感はここが一番
伊豆熱川温泉 高磯の湯
所在地:静岡県賀茂郡東伊豆町熱川温泉
TEL:0557-23-1505(熱川温泉観光協会)
入浴料金:大人600円、小人(4歳~小学生)300円 (夏季はプールと併用・大人700円、小人350円)
営業時間:9:30~17:00
泉質:ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)
源泉:99.9度
肩まで湯につかると湯船と海が一体となり、海の中の温泉に入っているような気分になる。

正面には数隻の漁船。
その先に、かすかにぼやけた陸のシルエットが見える。  

あれがアメリカ大陸か……。
そんなわけはない。あれは大島の三原山だ。  

加水も加温もされていない、やや熱めの源泉かけ流しの湯。
ほとんど無味無臭でキシキシ感もトロトロ感もないが、たしかにカラダの芯から温まり、湯力が感じられる。  

男性の脱衣所は丸見えで、女性専用の湯船は男性の露天風呂を横切った先にある。日中女性が混浴に入るには勇気がいるだろう。  

とはいえ、波打ち際の露天風呂に入りながら朝日を眺める贅沢は、ここでしか味わえない。
東伊豆の初日の出の時間は7時少し前。
御来光を楽しみに来る旅行客も少なくない。  

観光協会のホームページによれば、この温泉は昭和の初めに潜水名人の漁師によって発見されたという。

地元の人に野天風呂として開放されたほかは、戦後3年ばかり、塩工場として温泉が利用された。

1949年(昭和24)8月31日、大型で強い台風10号が小田原市を直撃。死者135名、行方不明者25名、負傷者479名の被害をもたらした「キティ台風」により、北川の塩工場は流されてしまった。

だが、これが契機となって温泉旅館が開業されることになり、温泉地としての歴史がはじまるのである。  


北川温泉から国道135号線を伊東方面に戻ると、大川温泉の看板が。土管の通路(!)で国道の下をくぐり抜けると、海沿いに小さな秘湯の建物がある。かつては露天の湯船だけだったが、18年前ごろから管理棟が設けられ、きちんと料金を支払う。平日の昼は女性客がほとんど来ないので、管理するおかあさんの粋なはからいでカップルだけで貸切風呂にしてくれることも
大川温泉露天風呂 磯の湯
所在地:静岡県賀茂郡東伊豆町大川温泉
TEL:0557-22-0248(伊豆大川温泉観光協会)
入浴料金:500円
営業時間:11:00~18:00(8月・土日祝~20:00) 泉質:ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉(低張性・中性・高温泉)
源泉:73.3度
北川温泉のうまいものといえば、キンメダイや伊勢海老が代表選手。9月15日~12月20日までは、宿泊すると伊勢海老がひとり1尾ふるまわれる「伊勢海老祭り」プランが人気だ。  

1年を通して食べられる鯵も、伊豆ならではの食材。北川温泉の郷土料理として、「北川あじ鮨」が7軒の宿と店で食べられる。

北川沖で獲れたばかりの鯵を使っていること、ひと口サイズであることという決まりがあり、店によって薬味にも工夫が凝らされている。  

お昼どきに「食事処磯辺」で食べた「北川あじ鮨」は、シャリとネタの間にガリ(しょうが)、シソの葉が挟み込まれ、お好みで小ネギを載せて食べるというもの。シンプルだが鯵のうまさがダイレクトに伝わってきた。  

宿によっては入浴料とセットで予約が必要なところもあるので、事前に調べてから行ったほうがいいだろう。

東京方面からは東名自動車道から小田原厚木道路を経るか、横浜新道、新湘南バイパスを経て国道135号線に入る。途中の真鶴道路(新道)は平成20年9月4日より「真鶴ブルーライン」となり普通車200円が必要。真鶴道路(旧道)は無料開放されている。「熱海ビーチライン」の名で知られている「熱海海岸自動車道」を通ると普通車片道250円徴収される。また、伊豆スカイラインは平成21年11月1日から23年3月31日まで料金割引社会実験を実施中で、熱海峠ICから天城高原ICまでの全線40.6km・普通車960円が上限200円に大幅値下げになっている。
< PROFILE >
長津佳祐
観光やレジャー、スローライフを中心に編集・執筆を手がける。ブログ「軽井沢別宅日記」をどうぞよろしく。 http://blog.bectac.com/
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