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「体験」というとアウトドアや田舎体験などのイメージがわきやすい。実際にこの連載でも郊外を舞台にした話題を何本も取り上げてきた。しかし、ぼくが最近ハマっているのは都会での体験なのです!!
約450畳の衆議院議場。議長席の上には天皇陛下のお席、議席などは圧倒的な迫力です
ぼくは中学から高校まで一貫教育の学校で育ったが、行事のひとつに「社会科見学」があった。

2月の入学試験で休校になる時期を利用して、どこかの工場や研究所に出かけるのだ。

中学1年のときロッテと東芝の工場に行ったのを覚えている。年を重ねるにつれて東京大学宇宙線研究所などという、はるかに実力を超越したレベルの高いところに見学に行くようになる。

高校3年といえば最終学年、見学も最高峰じゃなければならない。見学の時期を前に担任が言った。

「君たちは高校3年で責任がもてる年齢である。自分たちで自分たちに合った見学場所を決め、そこにアポイントを取って行きなさい。それも勉強である」とね。

衆議院見学コースの入り口には国会の役割や議員数がわかる掲示版がありました
たしかに、高校2年で行くスキー研修会も、リーダー役になった生徒が観光バスの手配、宿の手配、指導員へのお願いの手紙などを書く。「自治」を重んじる学校だけに、これらの手配を生徒が行うことは珍しくなかった。

見学のリーダーになった友人が数日後のクラス会で発表した。

「今回の見学先はヤクルトとコカ・コーラの工場に決めました!」
一同、一瞬、茫然。小学校で行った記憶が……。しかし、本意がすぐに飲み込める。このふたつの工場は学校のすぐそばにある。午前中に見学を終えてしまえば、午後は遊べるというわけだ。

工場をささくさと回り、試飲用にもらったヤクルトとコカ・コーラを飲むぼくたち。工場のガイドの人が、「高校生で来るのは珍しい」と言ってたっけ。

そんな学生時代の社会科見学だったが、現在ぼくのなかで社会科見学がマイブームである。社会に出て学生時代より知識が豊富になったぶん、社会科見学が楽しめるのだ。
移転問題に関係なく、築地の場内市場は活気にあふれていました
ぐるぐるぐるとネットサーフしていたら、案外都心を舞台にした見学ツアーが多いのに気付いた。

都心を回るといえば「はとバス」が専門かと思いきや、実にさまざまなツアーがある。

たとえば「国会見学ツアー」に「築地場内市場へのツアー」、「京浜工業地帯の夜景を眺めるクルーズツアー」さらに、さすがに動きが俊敏なこの業界、大河ドラマにちなんで「坂本龍馬の足跡を訪ねて~江戸回顧と幕末の展望」なんていうツアーもありました。

このツアー、龍馬と同じ土佐の出身で、三菱グループを創設する岩崎弥太郎(『龍馬伝』では香川照之が好演しています)の旧岩崎邸を見て、春日局が余生を暮らした麟祥寺、徳川幕府の永代祈願所であった霊雲寺、ニコライ堂と、たしかに由緒はあるけど「龍馬というとどうかなぁ、関係が薄いのでは」な箇所をまわりながら、龍馬の話を聞くというもの。

マグロのかぶとがずらりと並ぶ光景も
もちろん、国会議事堂も築地場内市場も旧岩崎邸も個人で行っても見学は可能です。

しかし、ガイドの案内でまわると「へぇー」「なるほど」が多く、あらためて見逃していた東京ならではのおもしろさが発見できるのだ。

ぼくはこの2カ月で、すでに国会議事堂ツアーと築地場内見学ツアーに参加。次は「JAL機体整備工場見学」を狙っています。しかも多くのツアーは最後にランチが付いているのがミソです。
ツアーの締めくくりはバイキングや寿司の食べ放題。たまりませんね
家族やカップルでお出かけの1日を東京のど真ん中で社会科見学。

テレビで見るだけだった国会議事堂内を見ることは、とても新鮮でためになるだろう。「ああ、ここで討論されているのだな」と実感できるし、その壮大さに感銘も受けます。

そもそも国会議事堂は17年もかけて昭和11年に完成した日本を代表する建造物。イギリスから輸入されたステンドグラスや伊藤博文らの銅像、大理石製モザイクの紋様などは美術館の様相。

移転問題で揺れる築地にしても、800を超える仲介業者が入る場内市場は活気に満ち溢れていて一見の価値があり。マグロを解体している業者に目はくぎ付け。

狭い路地を行く業者さんたちターレーも築地らしい光景で感激する。築地見学はさまざまな魚を見るチャンスだし、とても勉強になる場所です。加えてお買い物の楽しさもいっぱい。都会で行う社会科見学。こんな休日の過ごし方、おすすめです。

●国会議事堂見学 
http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/60sankanannai.html
●築地市場
http://www.tsukiji-market.or.jp/
●国会議事堂、築地場内市場見学ツアーもあります。「旅プラスワン」
http://www.tabione.com/kokkai/
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を執筆ほか
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