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日本列島自分で"やる"旅 見るだけではつまらないから Experienceの世界へ体験
遠大なる海へ、爽快なる川へ
海や川でできるスポーツのひとつに“カヤック”がある。
最近では“1日体験OK”の施設も多いからぜひ挑戦してみよう!
ハワイ「ナ・パリ・コースト」での初体験
普段、陸の上からでは見られない絶景を眺められるのもシーカヤックの魅力だ

ぼくが初めてシーカヤックを行ったのは、ハワイ・カウアイ島でのことだった。

ダイヤモンドヘッドやワイキキの繁華街の華やかなイメージがあるオアフ島とはずいぶん異なり、カウアイ島は映画『ジュラシック・パーク』や『キングコング』などが撮影されたところだ。

『ジュラシック・パーク』の冒頭のシーンのように、美しい海と断崖絶壁、そして深い森がぞんぶんに広がる。

カウアイ島行きの目的はキャンプだった。海から昇る朝日と、海に沈む夕日の両方が眺められるビーチサイドのキャンプ場にテントを張った。

起きてから1分以内に至福の海につかるなんて芸当が可能だった。また、目の前の海には魚やエビがいて、それをつかまえてバーベキューもできた。

そのキャンプをリードしてくれたロコガイドが、「カウアイに来たなら、シーカヤックをしなくちゃ!」と明るい笑顔で教えてくれた。

家族と一緒に乗ることで、ひとりの時とはまた違った楽しさや感動が味わえる
カウアイ島には「ナ・パリ・コースト」と呼ばれる海岸線がある。島の西北に位置する約20㎞の海岸線で、このあいだに人工物はまったくない。自動車が走れる道路も、海を見下ろす大型リゾート施設もないのだ。

あるのは断崖絶壁、滝、海の洞窟、上部の森、そしてときどき無人のビーチ……。

ナ・パリ・コーストの20㎞をシーカヤックで渡れとガイドが言う。
「カヤックなんて、やったことないよ」とぼく。

「大丈夫、事前にパドリングの練習をするからできる。勇気と体力があれば、最高の気分になれる」と、お気楽にガイド。結局、その言葉に誘われて、カメラマンと一緒に2人乗りのシーカヤックでナ・パリ・コーストに漕ぎ出したのだった。
まったく知らない”紺碧の海”とのそう遭遇
クルマに積んでビーチに出かけ、気軽にカヤック。ハワイでの光景だ

ツアーの総勢はガイドを含めて9艇だった。

先頭と最後尾にガイドのシーカヤック。そのあいだを、ぼくたちを含めた参加者が漕いで行く。迎えの車がいる終点のビーチは21㎞先、約8時間の行程だ。

ぼくらは正しい漕ぎ方なんてわからないから、自己流で気分まかせ、時にはふたりで力を合わせ、時には1名が休憩をして交互に漕いでいった(後から知ったのだが、日本の一部のスクールでは“正しい漕ぎ方”が最優先されるらしい。

参加者のうち2艇は日本で遊ぶことよりも、徹底的に漕ぎ方を叩き込まれた人たちで、彼らはぼくらが見た名シーンのいくつかに気づかなかった。お互いのパドルを同調させることばかりに全神経を使っていたんだって、もったいない!!)。

漕ぎ出して間もなく、海ガメの夫婦に出合った。

カヤックの魅力は水の上を思い通りに進めること。操作は簡単に覚えられる
次に遭遇したのはカヤックの下を通り過ぎた黒い大きな魚影。「あれは何?」と尋ねてもガイドは知らん顔。上陸してからガイドが「巨大なサメがいたね!」だって。

「あの時に言ったら、びびっていただろう!?」と、ガイドは大笑いした。

さらに、断崖絶壁には野生のヤギの親子がいた(パドル作業に完璧を求める人たちはヤギもサメも気づかなかったんだ)。
ランチは無人のビーチで持参のサンドイッチ。そのビーチに寝そべっていたのは、ハワイアンモンクシール(アザラシの仲間)だった。

魚や動物に出合うだけじゃない。いい加減漕ぎ疲れたところには洞窟があり、その中には天井部分が開けた箇所。

上部からは美しい水が白糸の滝のように滴り落ちていた。不思議なもので、この水を頭からかぶると疲れは吹き飛んでしまう。

茨城県のなかよしキャンプグラウンドにて。関東にもカヤックにいい場所は多い

いよいよ、ゴールまで1時間ほどのところまで来た。そのときに、海面がいきなり銀色に輝き出した。

太陽の光を反射させて光る銀色のカーペットはこちらに近づいてきている。突然、カメラマンが「イタタタタッ!」と叫んだ。彼の横腹にトビウオのような魚が当たったのだった。

理由はすぐにわかった。 銀色のカーペットの後ろにはイルカの群れがいた。

銀色のカーペットの正体は、イルカに追われる小魚の大群だった。それは、自然の中の壮大なる1シーン。カヤックならではの、海面すれすれの低い視点から見た忘れられない光景である。

やがて、ぼくらは迎えのいるビーチに到着した。そのビーチの上空には、ぼくらを称賛するかのように、美しい虹が出ていたのだった。

シーカヤックやリバーカヤックを気軽に体験
夏季のスポーツとしてカヤックの人気が高まっている。子どもでも(小学生くらいから)できるし、大人と一緒に乗ることもできるので、誰もが気軽に体験できるのだ。

それではおすすめのサイトをご紹介。まずはシーカヤックから。

●葉山シーカヤックスクール&クラブ
http://www.seakayakschool.com/
神奈川県三浦郡の葉山・森戸海岸を舞台に展開しているスクール。カヤックに興味がある人なら誰でも大歓迎。基礎から教えてくれるアットホームなムードのスクールだ。
(シーカヤック写真の提供もこちら)
●アウトドアレジャー そとあそび
http://www.sotoasobi.net/activity/activity.php?acv=6
このサイトの魅力は、「シーカヤックの基礎知識」などの事前の勉強ができることと、神奈川県葉山、神奈川県三浦海岸、静岡県、和歌山県、鹿児島県などの提携カヤックスクールのサイトが一度で検索できること。夏体験にはもってこいだろう。
●しーかやっくうみうし
http://www.umiushi.jp/
こちらは神奈川県の葉山で開催しているスクール。体験教室が充実しており、とくに子どもたちの指導に定評がある。

お次はリバーカヤックのおすすめをご紹介。

●なかよしキャンプグラウンド
http://www.h3.dion.ne.jp/~ncg/
茨城県の那珂川に面したキャンプ場でリバーカヤック体験もできる。オーナーの野田さんは、この土地に一目惚れして購入、キャンプ場を休日のみ運営している。那珂川はサケが上る日本最南端の川。関東近郊にも美しいスポットはたくさんある。
●アウトドアレジャー そとあそび
http://www.sotoasobi.net/activity/activity.php?acv=11
シーカヤックでも紹介したサイトのリバーカヤックのページ。こちらも基礎知識から全国のおすすめリバーカヤックができる場所を掲載。

そして最後に。今回のコラムで触れたハワイ・カウアイ島。それをちょっと覗いてみてください。まずは国内での体験から始め、いつの日かハワイ・カウアイ島をめざしましょう。ね?
●カウアイ島はこんなところ
http://www.splashofkauai.com/j/kauaispot/06.html
< PROFILE >
木場 新
休日評論家。主な出版物に『温泉遺産』、『パックツアーをVIP旅行に変える78の秘訣』などがある。ウェブサイト「YOMIURI ONLINE」に「いいもんだ田舎暮らし」を連載中(http://www.yomiuri.co.jp/tabi/
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